しお美奈子さんと西岡ちあきさんは、旅行が大好きな２人組みです。この日は九州までの旅に出かけますが、初めて寝台列車に乗ることにしました。経験したことのない夜行列車での旅行に、２人は少し興奮気味です。
（この撮影は、鉄道ジャーナル社旅と鉄道'９９秋号　「ブルートレインで旅立つ」の企画により行われたものです）

東京を出発してまもなくすると、窓の外が赤く染まりはじめました。
夜行列車から見る夕焼けは、ひときはきれいに感じられます。

横浜をすぎたあたりで、少し早めの夕食を取ることにしました。
最近の列車は食堂車がなくなり残念でなりませんが、車内で食べるお弁当もまた格別です。

Ｂ寝台		Ａ寝台個室　　ドアキー
Ｂ寝台個室　ソロ		Ａ寝台個室シングルデラックス

おなかもいっぱいになったところで、車内を探検してみましょう。
寝台列車にはいろいろなタイプの寝台や設備が整っていて、好奇心いっぱいの二人にとっては不思議な空間そのものです。

ひととおり車内を散策したところで、この列車の一番の目玉であるロビーカーへ行ってみましょう。
ロビーカーはパブリックスペースで、乗客の憩いと団らんの場になっています。
美奈子さんとちあきさんは、さっそく持参してきたワインやおつまみで多いに盛り上がっています。
寝台列車での旅を満喫している様子です。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、夜もかなり更けてきました。列車は名古屋付近を通過中です。

Ａ寝台個室　シングルデラックスのちあきさんは、読書をしたり
流れゆく街のネオンを眺めたりと、夜行列車独特の旅の雰囲気に酔いしれています。


みなこさんは心地よい車輪の音を子守り歌にして、広いベッドでたっぷりと睡眠をとることにしました。

２人が寝ている間も休むことなくずっと走りつづけた列車は、広島付近でやっと朝を迎えます。終着の九州までラストスパートを続けます。

一昔前までは、夜行列車というと旅の代名詞みたいなものでしたが、今や旅の移動手段の主流は飛行機や新幹線になり、夜行列車を利用する人はめっきり少なくなってきています。旅先へ早く着くことが目的なのではなく、夜行独特の雰囲気やムードを味わうことで普段とは違った非日常という意識を生み、旅をしているのだと実感できることこそ夜行列車が持つ最大の魅力ではないでしょうか。皆さんも一度時間に余裕を持って、ゆっくりのんびりと夜行列車で旅をされてはいかがですか ?

取材協力　ＪＲ九州