懐古趣味　氏の作品

作品１

２００５年８月２６日に大阪環状線の桜島駅で写した作品です。
向かい側ホームの女性が真夏の空を恨めしく仰ぎ見ながら汗を拭いている様子が季節にぴったりだと思ってシャッターを切りました。

焦点距離　５７ｍｍ　　Ｆ値　Ｆ/４．５　　露出時間　１/１０００　　ホワイトバランス　オート　　　シャッターモード　Ｍ

カメラのモデルはＦｉｎｅＰｉｘ　Ｓ５００００
レンズは１０ｘ　Ｏｐｔｉｃａｌ　ｚｏｏｍ

さすがにちょっと引きすぎですね。これでは女性があまりに小さく､目立ちません。
女性のいるホームからもっと大きく撮ると印象も違い､良くなったのではないでしょうか。

作品２

東海道本線灘駅の跨線橋の階段で写した写真です。
南階段の下から２番目の窓の位置がホームの高さとぴったりでしたので、奇抜さを狙ってカメラを構えてみました。スラリとした３０前後に見えるなかなかの美人が立っていたのですが進入してきた電車につれて歩いていってしまい、男性ばかりが残った到着の瞬間です。

焦点距離　１９．２ｍｍ　　Ｆ値　Ｆ/５　　露出時間　１/２００　ホワイトバランス　オート　　　シャッターモード　Ｍ

確かに狙いは大変良いと思います。このような発想は見ていても見過ごすことが多く､気付いて撮影した懐古趣味さんは素晴らしいと思います。
コメントにもありましたが､美人女性がいたとのこと。ならばまた次に絵になる人が来るまで待ったほうが良かったのではないでしょうか。ご自身でも女性の方が良かったと思われているはずです。ならばこの状態で撮影しても､あまり意味がないかもしれません。安易にシャッターを押さず､自分の納得のいくチャンスが来るまで待つことも必要です。

作品３

新大阪駅に到着した新快速電車の女性車掌さんが見習中で、社外のお客様　にアナウンスする姿がとても初々しく感じたのでつい写してしまった一枚です。
指導官との対比も面白いと思いました。西日が強かった所為で露出のバランスに少々てこずりました。

焦点距離　５７ｍｍ　　Ｆ値　Ｆ/５．６　　露出時間　１/３２０　　ホワイトバランス　オート　　　シャッターモード　Ｍ

この作品は微妙ですね。ちょっと車掌さんのしぐさも､後ろからだと分かりづらいですね。いずれにせよこのままだとちょっと絵が散漫なような気がします。

指導官との対比を風刺的に描くなら赤枠､また乗客との絡みを取るなら青枠という感じに捉えてはいかがでしょうか。


ただいずれにせよ､まだ弱いですね。別の撮り方で狙ったほうがいいかもしれません。

作品４

灘駅で写しました。
上り線に停車中の電車と侵入してくる電車とホームでメールに熱中する女性とホームの屋根が構成するアングルが気に入って写した一枚です。

焦点距離　１９．２ｍｍ　　Ｆ値　Ｆ/５．６　　露出時間　１/２５０　　ホワイトバランス　オート　　　シャッターモード　Ｍ

こちらもインパクトと力強さが感じられません。もっと思い切って女性をアップにし､上り線の電車は全くカットしても良いでしょう。狙いは絞ったほうが良いかと思われます。

作品５

姫新線列車到着の光景です。階段下でたむろしていた鳩達が列車のエンジン音にも乗降口に集まる人たちの気配にも全く動じずゆうゆうとしている光景が面白くて写しました。

焦点距離　２７．９ｍｍ　　Ｆ値　Ｆ/６．３　　露出時間　１/３２０　　ホワイトバランス　オート　　　シャッターモード　Ｍ

やはりこの作品も､寄りが足らないと思います。もっとローアングルで鳩に寄り､列車はアウトフォーカスでよかったのではないでしょうか。

総評	今回の懐古趣味さんの作品は､作品２以外､距離感が全て同じでした。列車の形をあまりにきちんと表現しようとしたためか､被写体に対する踏み込みが足りていません。そのため何が表現したかったのか見る側に伝わらず､論点のボケた散漫な絵になってしまっています。引くところは引き､寄るところは寄るといったメリハリが必要です。写真は引き算です。あれもこれも画面の中に入れているようでは､主題が何なのか分かりにくくなってしまいます。もっと表現したかったものを素直に､そして大胆に捉えることをお勧めします。頑張ってください。