２月１５日（晴れ）
朝から２日酔いだ。こんな２日酔いは久しぶりだ。
ナカイは僕がこんな状態だろうと予想して、西武撮影の所沢にはクボタをよこしていた（ようだ）。ナカイとはもう長い付き合いなので、何も言わなくても僕がどのような状態になるだろうか分かっている。相変わらずのチームプレイに我ながら酔いしれる。
この日は１日中起き上がることができなかった。。。。
２月１６日（晴れ）
朝からＫ通新聞社「Ｔの手帖」の原稿を書く。昼食をとりに、近所の入りなれない寿司屋に行く。それぞれ違うものを頼んだが、店を出た後「まずい」の一言で意見が一致する。
午後は進行中の絵本の再校の締め切りで、時刻表を見ながらナカイと意見を交わす。
ふと気がつくと、坊主頭のマツモトがメガネを作りたいと言っていた。それならばとナカイと二人で黒ぶちの丸メガネを勧めた。それを掛けるとアニメ「巨人の星」の左門豊作にそっくりになるからである。「おいどんは・・・」とか「ごわす・・・」などとナカイと二人でからかっていると、自称ラッパーのマツモトは、かたくなにそのメガネを拒んだ。しまいには事務所でメガネ代を出してやる、と言ったにもかかわらずである。
やはりマツモトはラップでメジャーデビューすることを本気で考えているらしい。 だけど僕は知っている。一緒にカラオケボックスに行ってラップを歌ったマツモトの点数が２５点だったことを・・・
２月１７日（晴れ）
なんだか事務所が忙しがっている。僕は原稿と企画書を書いていたのでよく分からない振りをしていたが、どうやら事務所にファイリングされていない未整理の写真を探しているみたいだ。そこで説明しよう。未整理の写真とは、撮ったら撮りっぱなしでただフィルムを現像しただけ、セレクトして写真を切るどころかどこで撮ったかすら書いていない、まさに全く何の処理もされていないスリーブの束のことである。実はこの束の中に、これから稼げるであろう宝のような写真がいっぱい隠れているのである。しかし整理してきちんとファイリングされていないため、マツモトをはじめ事務所の人間がまずそんな写真を目にすることはなく、気がついたときには写っていた列車はすでに廃止・・・といったことも多々あることなのだ。しかし今日は何故かナカイがやる気を出して、僕が撮影した未整理のスリーブの束を検索しはじめた。するとマツモトが探していた列車の写真が運悪くたくさん出てきてしまった。するとマツモトが得意になってこう言った。「ヤマサキサン ヒルマカラ ノンデバカリイナイデ チャントシャシンノセイリヲ シテクダサイヨ！ ット、 キョウモ マツモトニ サンザンモンクヲ イワレタ。 ゴモットモナイケンダ。」 などと、さもこの日記の文面を真似て朗読しているかのようだった。見た目、マツモトの顔は笑っていたが、内心どう思っているのだろう？ そんなことを考えているうち、もしかしたら刺されるかもしれない、と気づき、もう二度とマツモトの前は歩かないよう心がけることにした。
2月18日（晴れ）
朝一に小田急電鉄本社で打ち合わせを行った。絵本の企画書を作ったので、それをプレゼンするためだ。感触はまずまず！？
午後は貸し出し用写真のセレクトと。ＪＲ西日本のポストカード用に貸した写真のキャプション付け。極めつけは、なかなか手が離れない絵本の再校正。人手が欲しいくらいの忙しさだ。絵本は4月に発売なので、3月13日のダイヤ改正以降のデータを載せなければならない。2月号の時刻表に一部載っているが、それだけではわからない。極秘に3月号を手に入れ、数字とニラメッコをする。が、到底今日中には終わりそうもない。
早々にあきらめて、久々神楽坂の「Ｙ」に顔を出す。目当てはもちろんサッカーＷ杯予選オマーン戦。ヒートアップして応援していると、どんどん焼酎が減っていった。
２月１９日（晴れ）
今日は２年越しの懸案だったボルト抜きの入院の日だ。２年前にスキー場の取材中、誤って左足首を骨折してしまい、手術をして骨をボルトで固定していた。本当は去年抜かなくてはいけなかったのだが、忙しくてなかなか入院できず今日に至ってしまった。
東京Ｔ信病院に入院の手続きにいった。６Ｆと７Ｆが外科の入院病棟で、２年前は６Ｆだった。が、看護婦さんは７Ｆの方が断然レベルが高かった。今回は７Ｆだという。喜び勇んで７Ｆへ上がって行った。
が、看護婦さん（現看護師）は２年も経つとほとんどが入れ替わっていた。そんなバカな・・・ ３日間の入院でよかった、と胸をなでおろした。
暇なので一気に絵本の再校正をやり終えた。明日は手術なので、今晩の食事以降は何も胃に入れてはいけないそうだ。ビール１本で我慢しておいた。
２月２０日（晴れ時々曇り）
腹が減った。朝からおなかが鳴っている。しかし僕の食事は点滴だ。このまま午後２時過ぎまでこの状態が続いた。
やっと僕の手術の番だ。麻酔科の先生も手術の時間が遅くなったことに同情してくれた。今回の麻酔は全身麻酔だった。ガスを吸い込んで眠りに落ちる、という作戦らしい。前回の手術のときは脊髄に注射をする脊髄麻酔だったので、今どんな手術をしているか意識があったが、今回は何が起こっていたのか全く覚えていない。ちょっぴり残念だった。
手術は３０分ほどで終わったはずなのだが、目が覚めても睡魔が目くるめく襲ってきて、しっかりと意識を持ったのは午後６時くらいだった。やっと食事にありつけたが、病院食は量が少ない。食べても腹がいっぱいにならず、そのせいで寝付けない。同じ病室の山口さんが見かねてチーズをくれた。しょうがないのでビールでささやかな晩酌をする。おいしかった。
２月２１日（晴れ時々曇り）
昨日欲望に負けて最後の１本を飲んでしまったので、今日の朝ごはんの時はお茶しか飲めなかった。
手術を担当した医師に、足に入っていた金属をお土産にもらった。こうしてみると結構デカイ！ そりゃ違和感あるわな。
今後の予定を医師と話し合いながら、足を消毒してもらった。最近は切った後は糸で縫うのではなく、ホッチキスで留めていくのが主流らしい。前回もそうだったのだが改めて見ると、フランケンシュタインみたいで自分の足ながら気持ち悪い。１０時には退院して家に帰った。要は切って抜いて縫っただけなので過剰な痛みはなく、普通に歩けるのでかなり楽だ。
しかし痛み止めの薬の副作用か昼ごろから眠くなり、夕方になってやっと目が覚めた。無性においしいものが食べたくなったので、行列の出来るメンチカツで有名な「佐藤」でしゃぶしゃぶ用の肉を買った。