11月1日　火曜日　（晴れのち曇り）

昨日の色校正を見たところ、かなり色的に直さなくてはいけないところがある。なので大きくなるカットのデータは色見本をつけることにした。午前中に山と渓谷社に持っていく。色見本もプリントアウトなので必ずしも正確ではないが、それに更に赤を入れることによって自分の表現したかった色を大日本印刷に伝えることにした。 午後は常磐線へ「スーパーひたち」の撮影をする。某ＲＪ誌新年号の表紙用だったのだが、運悪く夕方の一番時間帯に来る列車の時に曇ってしまった。相変らず、トホホな人生を送っている。 渋滞の首都高を我慢強く走り、事務所に戻ってからは携帯用コンテンツの原稿を書く。

11月2日　水曜日　（晴れ）

福岡時代にクボタがやっていた「モンタン」という薬学関係の情報誌の取材。今回の取材地は足利だ。僕は足利はじっくりと見たことがなかったので、興味半分、不安半分の落ち着かない状況のまま、東北道佐野藤岡インターで高速を降りる。 まずは足利の名所中の名所、足利学校へ行く。鑁阿寺、織姫公園と撮影をして、栗田美術館に行く。ここは凄かった。伊万里焼と鍋島の膨大なコレクションを見ることができる。もっとゆっくり見たかったが時間が無いのでとっとと出る羽目に。 最後に足利フラワーパークを撮影して、仕事は終了。 夜は渋谷のセルリアンタワーでクライアントさんと打ち上げを。最後は最上階のバーで優雅に飲んだが、〆はやっぱり博多天神のラーメンだった。

11月3日　木曜日　（曇り）

今日は文化の日で世の中はお休みだ。 来週、日本鉄道写真作家協会（JRPS）の総会を控えている。副会長を会計長を兼ねている僕は、こういう日に会の仕事をやってしまわないと大変なことになる。事務所に出向き、この日は懸念だった会計の仕事をする。資産ほか、1年間のお金の動きがどうだったのかということを一覧表にして、会員や賛助会社の方々に公表しなければならない。溜めていた領収書と通帳を見比べながら会計報告書を作る。 ついでに会員の名簿も作ったため、せっかくの1日が潰れてしまった。

11月4日　金曜日　（晴れ）

朝起きて愕然とした。なんと左指が全く動かないのだ！　必死に動かそうとしても、思うように動かない。30分くらい経って、やっと少しではあるが動かせるようにはなってきた。もの凄く大変なことになってしまったような気がする。そう、脳梗塞だ・・・ とりあえず昨日まとめた会計報告書を、会員のオガノ氏とともに会の監査役であるヒライ会員のもとに行く。ヒライ会員は、かの江戸川乱歩の孫にあたり、最近ＴＶなどでよく見かける。 監査役のハンコを無事にもらえたので事務所に戻る。が、左手が気になってしようがない。事務所近くに大きな病院があるので診察してもらおうと赴くが、今日は一杯で無理との事。仕方なく事務所に行く。マツモトとクボタがいたので、左手の障害を打ち明ける。 病院を訪ねて医者に症状を話すととてもビックリした様子で、「ちょっと順番を変えてあとでゆっくり診る」と言われた。やっぱりか・・・、カメラマン人生がもう終わってしまうかも知れないというとてつもない失望感にさいなまれ、診察室に入る。医者もかなり真剣で、いろんな器具や道具で左手や指を入念に調べてくれた。「ちょっと左足で立ってみて」と言われたので、片足で立つ。別にどうって事ないので、片足でピョンピョン跳ねてあげた。すると医者が難しい顔をし始めた。そんなにヤバい病気なのだろうか？　不安はますます募る。そして医者が判断した。 病名「末端神経障害」 「これしか言いようがないですね。ＣＴスキャンを撮っても意味がないでしょう」だって。つまり何らかの圧力がずっと左手にかかっていたため、左指の末端神経がすべて死んでしまったのだということらしい。末端神経は時間は掛かるが再生するとの事。つまりシビレがひどくなったもので、脳梗塞ではなかったのだ！　少し明るい日差しが見えてきた。では何故こんなことになってしまったのだろう？ そういえば昨晩「Ｙ路」で飲んだよな〜。そのまま酔っ払って家で倒れるようにうつぶせになり、左手が体の下になったままずっと朝まで眠ってしまっていたよな〜

11月5日　土曜日　（晴れ）

磐越西線に撮影に行く。冬に銀座富士フォトサロンで行われる「ＪＲＰＳ写真展」の作品を撮るためだ。テーマは「煙」に絞って狙ってみた。 まず三川でパシャリ！　写真のように、なかなか良いイメージが撮れた。次は追いかけて山都の鉄橋。ここでも普段とはちょっと違う狙いで撮影をしてみた。うんうん、今日は調子がいい。 左手は相変らず思い通りに動かない。脳が原因ではないのでその分気分は晴れたが、三脚も持てないので不便なこと極まりない。痺れた時点で普通は目を覚ますのだろうが、泥酔していたため飛んだことになってしまった。おいおい、途中で起きろよって感じだ。 さて、上りは慶徳トンネル手前で夕陽にたなびく煙のイメージを狙う。が、この日は思ったほど煙を吐いてくれなかった。失敗だ。そのまま追いかけて日出谷の発車。ここは大爆煙だったが、ちと暗かった。津川で夜間撮影もするが、どうも今ひとつ気に入らない。そのまま猿和田まで追いかけて撮影するも、やっぱりしっくりいかなかった。 明日も狙いたいところだが、今日は帰らなければいけない。欲求不満の残る撮影となった。